−剣正塾教本(No3)−

「技の研究」−胸突き・面打ち−

 

重視し、稽古しているのが「胸突き・面打ち」の技です。この技を完成するということが、技を修めることだと考えています。

 

この技の稽古で留意していることは、

(1)一足一刀の間に立つこと、

(2)「送り足」に打ち間に入ること。瞬時に左足を引き付けること、

(3)表から正面突きに、胸あてを突き、面を打つこと。突く場合は、右腕を伸ばすこと、です。

 

(1)と(2)は、すべての技の基本としていることです。中学生はむろん高校生でもなかなかできないのが「突き」という打突です。理由は、「送り足」が上手にできないこと、正しく突くことができないからです。

 

ここでは、入る時と突く時と連続して「送り足」を使うことになります。突く場合、右足で踏み込むのではなく、「すり足」に突くということです。体のバランスを保つためです。又、突きは、胸あてを先皮で叩くように突くことです。大事なのは、突いた後の左手の握りの部分が「臍の高さ」ではなく、「胸の高さ」にあることです。左の脇が空かないように注意することです。

 

右腕を伸ばして突くため、突いた後、反動で腕が戻り、一瞬、腕(の関節)に「ため」ができ、続く面を打つことができるのです。稽古を始めた段階では、突きからいわゆる小さな面に変化すること容易なことではありません。この場合は、「1・5の課程」として、胸あてを突き、振り被り面を打つことです。慣れたら2の課程として小さな面打ちを稽古す

ることです。

 

表からの正面突きができたなら裏からの正面突きの稽古に移ることです。接している竹刀の先を、下から裏(左側)に回して入り、胸あてを突いて、面を打つことです。現代剣道の構えは、裏からの攻めに弱く、この技を有効に使うことができます。

 

さらには、竹刀の先を上から左、下、右と回して表から正面突きに突き、面を打つという技があります。「回す」のは、相手の心を、一瞬、裏の守りに向け、心の隙をついて表から突くというものです。気で攻め合う相手に有効に使うことができます。

 

突きは、必ずしも胸あて、突きの部位を突く必要はありません。鋭く突くことができるようになれば、寸止めに突くことで同じ効果を得ることができます。中高生に指導してはいませんが、下段から攻め入り、胸あてを突いて、面を打つという技もあります。

他の技に於いても同じことですが、一足一刀の間から「送り足」に打ち間に入るという「入る」を言葉どおりに「入ること」と受け止めないことです。「入る」とは、「攻め入ること」と解することです。鋭く、速く、入る。そのためには、右足、特に右の膝の使い方に留意することです。

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剣正塾教本 −高校生を対象にした技の研究−

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